パーキンソン病は脳の神経細胞の変性により、身体の動きに障害が現れる病気です。
主な治療は複数の薬を組み合わせて服用する薬物療法になります。しかし、現在では根治する薬がなく、進行性の病気のため長期間の闘病生活となることやさまざまな症状に苦しむことがあります。
当院では、鍼・灸・マッサージ治療によって、さまざまな症状の改善に取組んでいます。また、身体の状態、生活環境などを理解し、リハビリ・運動療法・生活指導も行っています。
パーキンソン病を患っても、お一人お一人が自分らしく生きていくための治療をしています。
運動症状
無動 | すくみ足・素早く動けない・声が小さくなる・書く文字が小さくなる |
筋強剛 | 筋肉や関節の固縮で手足が動かしにくい・顔が強ばり無表情になる |
静止時振戦 | じっとしている時に震える |
姿勢反射障害 |
身体のバランスがとりにくくなり転びやすい・歩いていて止まれなくなる・首が下がる・腰が曲がる・身体が斜めに傾く |
非運動症状
自律神経症状 | 便秘・下痢・頻尿・立ち眩み・むくみ・冷え |
精神障害 | うつ・不安・無気力・幻覚・幻聴・妄想 |
睡眠障害 | 不眠や日中の眠気 |
認知障害 |
手順を踏む行動が出来なくなる遂行機能障害・物忘れ |
疲労や疼痛・体重減少 |
疲れやすい・肩や腰の痛み・手足の筋肉痛やしびれ |
運動症状に対しては、主に鍼とマッサージ治療を行います。
「痛み」は交感神経を興奮させ、血管の収縮と筋肉の緊張を生みます。そのため血行が悪くなり血流の低下した細胞は酸欠のため障害を受け、結果「発痛物質」を生産してしまい蓄積されていくのが「痛みの悪循環」です。
この悪循環を鍼治療は断ち切っていきます。
鍼は刺激した組織を活性化し、それは信号ともなり中枢神経へ伝達されて痛みを鎮静化します。また、筋肉の深部まで直接届く鍼治療は、筋肉の緊張を緩める効果が高く、血行を促進させて発痛物質を排出させます。
マッサージ治療は筋肉をやわらかくすると共に、関節の可動域を広げて動きやすい身体に整えていきます。
【効果】歩行の改善・姿勢の改善・ジスキネジアの軽減など
【その他の症例】
運動療法、生活指導も行っています。
・衣類の着替え、食事、日常動作において、どのような姿勢でどの部分を使えばスムーズに動けるか練習します。
・寝返りや起き上がり、立ち上がりの身体の使い方で体位変換のポイントを伝えて練習します。
・歩行方法の指導、歩行訓練、足が出なくなった時の頭の切り替え方を練習します。
非運動症状には鍼、灸治療を行います。
身体のほとんどの器官は自律神経(交感神経と副交感神経)でコントロールされています。呼吸・血液循環・消化吸収・排泄・内分泌(ホルモン)など体内循環をつかさどっているため、自律神経の不調は、便秘・不眠・冷えを始め多岐に渡る症状が出ます。
そして、免疫に関わる白血球はマクロファージ・顆粒球・リンパ球の大きく3つの免疫細胞で構成され、この割合が保たれていることが正常な免疫機構に必要です。この免疫細胞の増減バランスも自律神経が左右します。
鍼灸治療の刺激は中枢神経を介して過緊張になってバランスを崩した自律神経を整える働きがあります。それは、低下した内臓機能の改善や身体全体の血流の改善につながります。
【効果】便秘、下痢、冷え、不眠などの改善・薬の効きの向上など
【症例】
便秘には灸治療が有効です。
排便に必要な腸の蠕動運動は自律神経の作用で機能していて、副交感神経が優位な状態で腸の動きは促進されます。灸の熱刺激は自律神経を整え、腸の冷えを改善し血行を促進すると共に、深いリラックス効果があります。
また、免疫細胞は腸に多く集まっているため、腸内環境を整えることは免疫機構の正常化にもつながります。
現在当院のほとんどのパーキンソン病患者は進行期の方です。
ウェアリングオフやジスキネジア他、さまざまな症状に悩んでお問合せを頂いています。低下した機能の改善だけでなく、薬の服用に関する相談なども受けています。長い闘病生活を支えるために包括的な取組みを行っています。
まだ症状が顕著ではないパーキンソン病早期(ハネムーン期)の方には、進行期で起こりうる状態を考えて、予防のための治療をお勧めします。
腰曲がりなど姿勢反射障害や自律神経症状は早めの治療で悪化を防いでいきます。
往診
外出が困難な方には往診を行っています。
健康保険を使った訪問マッサージの利用対象になるのは、歩行が困難であるまたは寝たきりである方です。
慢性的な痛みがつらい方、病後の筋委縮で思うように身体が動かずお困りの方、関節の拘縮が悪化してきている方、お身体のお悩みをご相談下さい。