顔を走る三叉神経の異常で顔面に強い痛みが生じる病気で、俗称では顔面神経痛と呼ばれることがありますが、正式には三叉神経痛と言います。
顔に電気が走るような激痛やしびれる感じ、針で突かれるような痛み、食事の際などに痛んだりします。
あまりにも痛みが強いため歯のトラブルかと思い歯科医院を受診しても、歯には異常がないと診断される方もいます。
また、眼の奥に痛みを感じたり、片頭痛だと間違える方もいます。
非常に痛みが強く日常生活に大きな支障をきたしてしまう事も多く、辛い痛みを何年も我慢している患者さんもいます。
その名の通り根元から三つ又に枝分かれし、それぞれ以下の痛覚、触覚、温冷覚といった顔の感覚を感じ取り脳に伝達しています。顔の皮膚で感じるものはすべて「三叉神経」の働きで感じ取っています。
三叉神経痛は原因が不明なもの(特発性)と、はっきりとした原因があるもの(症候性)に分けられます。
症候性による三叉神経痛は病院での治療を勧めることがあります。
一般的に三叉神経痛と呼ぶのは原因が不明の特発性三叉神経痛を指します。特発性三叉神経痛には、血管による圧迫が原因になることもありますが、ストレスと筋緊張により神経そのものへのダメージが原因として考えられるケースが多くあります。疲れそのものや睡眠不足による自律神経の乱れが影響していると考えられます。
特発性三叉神経痛では鍼灸治療、マッサージ治療が大変有効です。
三叉神経の痛みが出ている領域の痛みの緩和そのものと、神経痛の原因になっている個所やそこに繋がる筋緊張を緩める事が大切です。マッサージ治療で緊張を緩め血流を改善し代謝を促すことで身体の疲労を軽減します。
鍼治療は顔面や歯に生じている痛みやしびれを直接鎮める効果があります。
顔面部にはたくさんのツボ(経穴)があり、鍼で刺激をすることによって、過敏になっている三叉神経そのものを鎮めて痛みやしびれの抑制が可能です。顔面部の鍼治療は美容鍼でも有名なように細い鍼で痛みのない治療を行うことが可能であり即効性を期待できます。
また、灸治療で交感神経を抑制し副交感神経優位の状態を作ることで、身体のストレスを軽減します。
全身を診ていくことで、なぜ三叉神経痛が発生したのかの原因までを治療していくことが重要です。
痛みやしびれを長引かせるとより辛い症状になってしまうこともあるため、違和感に気付いた時には早めの治療が肝心です。